コンサルティングファームへ転職が有利である4つの理由
前回は、新卒採用と転職を行う際で、転職が有利な点を4つ挙げて考えましたが、今回は、前回と同じ4つのポイントでも、コンサルティング業界(コンサルティングファーム)に転職することを前提に、どのような部分にメリットがるのかを考えます。
まず、私の私見ですが、同じコンサルティング業界の門を叩くとしても、新卒と中途採用(転職)を比べると、例え同じ能力、人物であったとしても、転職でチャレンジしたほうが、圧倒的に入社(内定獲得)の可能性が上がると思っています。
大手の総合系・IT系のコンサルティングファームが積極的に即戦力を求めて中途採用を行っていることもありますし、規模の拡大に伴い新卒採用者数が増えたとはいえ、業界自体の認知度も上がり、新卒者の応募数も増えていることもあります。
このため、新卒での倍率は、まだまだ高く、狭き門には、変わりありません。
これに対して、中途採用の場合は、通年で募集をしており、しかも積極採用をしていることが多いです。
転職組のメリットを活かすことで、新卒に比べ、門戸が開けてくると思います。
前回と同様に以下の4点について、コンサルタント職(コンサルティングファーム)への転職の特有のポイントに絞り、考えていきたいと思います。
- これまでの職業経験が活かせる
- 社会人経験がある
- エージェントを活用できる
- 転職のタイミングを自分で図ることができる
繰り返しとなり、しつこいようですが、特にここでは、コンサルティングファームへの転職に限定しており、転職を考える上で(コンサルティングファームへの転職を実現するために)非常に重要なことになると思います。
是非とも参考にしていただければ幸いです。
これまでの業務経験が活かせる
総合系・IT系のコンサルティングファームは組織の拡大とともに、様々な業界にワンストップで企業の課題を解決ことで、他のファームとの差別化を図ろうとする部分があります。
ソリューションの専門店ではなく、様々な品を揃えたデパートになろうとしているわけです。 換言すると「どんな企業(や団体)でも、困ったことを相談してもらえれば、なんでも解決します」というスタンスです。
こうすることで、企業戦略や構想策定→業務改革→システム導入→運用・保守やBPOといった企業活動における全般をサポートし、クライアントの囲い込みも可能になります。
ワンストップで企業の課題を解決するということは、いろいろな業界、業務に対する知見など、様々な知見を必要とします。
これらの知見の蓄積と整理・分析および共有が、コンサルティングファームの組織的な能力(これをケイパビリティと言います)となります。
各コンサルティングファームは、ケイパビリティを高めることに躍起になっており、様々な業務経験者、バックグランドを持つ人材を採用することで、ケイパビリティを高めようとしています。
このため、今までの(コンサルティング以外の経験を含む)業務経験は、コンサルティングファームにとっての知見の蓄積に役に立つと思いますし、プロジェクトにでて即戦力として活躍できる場もあるということです。
他の業界では、その業界の未経験者が不利に働くこともありますが、コンサルティングファームの場合は、このように幅広いバックグランドの人材を求めていることもあり、未経験が極端に不利に働くことは少ないと思います。
コンサルティング経験の有無よりも、プロジェクトや部門で求める人材のマッチングが重要になります。
場合によっては、コンサルティング経験者よりも業務経験者の方が評価されることもあります。
コンサルティング業界が未経験の方はそれほど心配する必要はないと思います。
このため、未経験者でも、現在の経験を自分がコンサルティングファームで活かせること、有効な人材あることを積極的にアピールすれば採用される確率がぐっと上がります。
現在、コンサルティングファームが求めている人材の情報は、求人票に記載の情報以外にも、転職エージェントを通じて問い合わせることで、コンサルティングファームから引き出すことが可能です
こうすることで、コンサルティングファームが求めている要件が明確になり、求人と自分の経験のGAPを明確にすることができます。
この点は、後続の「転職エージェントを活用できる」で詳細を書きたいと思います。
社会人経験がある
前記のワンストップサービスで業界と業務という話を書きました、コンサルティングファームのサービス体系はインダストリー(産業・業界)とコンピテンシー(サービスの領域)という2軸で考えられていることが一般的です。
インダストリーとは、いろいろな業界・業種になります。商社、自動車業界、鉄道業界、ハイテク、公共団体・・・等、インダストリーの切り口は、ファームによっても若干異なることはありますが、おおよそこのようになります。
それぞれの業界のトレンド、新しい技術やマーケティング等の知識を前提として、コンサルティングファームは、企業の抱える課題に対して、ソリューションを導き出すものです。
例えば「自動車部品メーカーにおいて次世代の主力新規事業の策定支援プロジェクト」があれば、自動車部品メーカーにいた経験・部品を取り扱う商社での経験を活かすことができます。
逆に、その業界にいたからこそ、その業界の知識があってこそ、適切なソリューションを提案できることがありますので、各業界での経験を活かすことができます。
これに対して、コンピテンシーは、戦略・財務・組織人事・IT(インフラ・基盤)等、こちらもファームにより若干は異なりますが、こちらもおおよそこのような業務からの形になります。業務の経験が活かせることは前述の通りです。
このように、コンサルティングサービスは2軸で考えることが多いため、これまでの社会人経験が、必ずどこかで活かすことができます。
特にプロジェクトを売り込む際などは、ピンポイントで、○○業界の経験者等といったように、募集を行うことがあります。このようなピンポイントな求人に対して自分が該当するならば、必然的に採用の確率が上がります。
転職エージェントを活用できる
転職エージェントを活用することで、他の業界以上にコンサルティングファームへの門戸は開けてくると思います。
特に未経験者が希望する場合は、コンサルティング業界のネットワークも少ないことが殆どだと思います。
このような状況では、コンサルティングファームでも新規事業の立ち上げや、実際に稼働しているプロジェクトの状況を知ることは非常に困難だと思います。
これらの動きの結果次第では、求人が出ることもありますので、これらコンサルティングファームへ転職をかんげえようとしている方は、これらの情報にも、感度を高くしておくことで、内定の確度を高くすることができます。
コンサルティング業界にいると、ある程度は同業他社のプロジェクトの話を耳にすることも可能ですが、未経験者は、ネットワークも少ないこともあり、なかなか難しいのが現状だと思います。
しかしながら、転職エージェントを利用すれば、簡単にこれらの情報を簡単に入手することができますので、未経験者の方は特に利用することを進めします。
実際、私が、コンサルティングファームに所属していた際、私が採用面談を行っていた方や、実際に転職で入社された方は、大半が転職エージェントからの紹介があったと記憶しています。
それ以外では、在職者からの紹介というケースもありましたが、これは、もともと所属していた人間が一度辞めてまた戻る(出戻り)や、コンサルティングファームに外部協力者として同じプロジェクト経験者した人物の応募というような特殊なケースです。
このような特殊なケース以外は、ほぼエージェント経由の応募が大半で、個人でHPを見て応募してきた、という方を面談したことは、私はありません。
コンサルティングファームの求人の種類を知るにも、書いていますが、私は、コンサルティングファームの求人の背景を知ることは、内定をもらうための確度を高めるためには必須だと思います。
この背景を知るためには、個人で行うには限界があり、必然的に転職エージェントを利用する必要があると思います。
転職のタイミングを自分で図ることができる
各コンサルティングファームとも中途採用を積極的に行っています。
他の業界に比べて、能力のポータビリティが高い業界(同業他社でも直ぐに活躍が可能)であるため、即戦力として積極的に採用をしています。
また、即戦力だけでなく、部門で年間の採用予定者の目標をたてて、プロジェクトは明確になっていないものの、事業の拡大や新規事業のために、順次採用していくこともあり、未経験者やポテンシャル採用も積極的に行っています。
この部分も、コンサルティングファームの求人の種類を知るにも前にも書いており、繰り返しになってしまうのですが、プロジェクトのための求人は、その性格上、どうしても募集期間が短くなる傾向があります。
この種の募集の情報を効率的に収集するためには、エージェントの活用が手っ取り早く優れていると思います。
収集した求人を分析して、自分にあう求人なのか、内定の確度が低く見送るべき案件なのかを慎重に吟味し、確度が高ければ積極的に応募します。
プロジェクトが主体となる求人は、緊急性が高いことが多く、積極的な採用が期待することができるためです。
また、プロジェクトが主体となる求人は、球数も比較的多く出ますので、じっくり待ち、ここぞという案件を見つけた場合には、一気呵成に転職活動を攻略することが大切です。
(一気呵成というのは、特にプロジェクトが絡む求人案件の場合は、緊急度が高いことが多く、面談の日程調整などに時間をかけてしまうと他の方の採用や、外部協力会社で席が埋まってしまう恐れがあるため、短期決戦が望ましいと思っています)
まとめ
このようにコンサルティングファームに転職をお考えの方は、個人的には、まず転職エージェントに登録して情報を収集することをお勧めします。
少し横道にそれますが、転職エージェントは、転職者に対して無料でサービスを展開し、内定が出た場合に、内定後一定期間在籍したことを条件に、内定先の会社よりフィーを受け取るビジネスモデルになります。
このことから、転職エージェントを使用すると企業側からするとコストの発生ととらえられるかもしれませんが、私自身、転職エージェント経由とそれ以外で、区別したことはありませんでしたし、面談の結果に差をつけたことはありませんでした。
また、前述の通り、特殊な例を除き、中途採用での入社者は、ほぼ、転職エージェント経由でした。
これは、多少のコストを負担しても、優秀な人材を獲得したいというコンサルティングファームの考え現れだと思いますし、転職エージェントを使用することを前提に、採用コストを見積もっているため、問題にならない(差をつけない)のだと思います。
また、登録するのは2か所以上をお勧めします。転職エージェント会社により、コンサルティングファームの得意不得意があるのは事実ですし、また、実際にすべてのコンサルティングファームの案件を全て網羅されているかと言えば、そうではないと思います。
また、担当してくれるキャリアアドバイザーが自分にあうとは限りません。キャリアアドバイザーはこちらの要件を聞いて、要件に合うような求人案件を紹介してくれますが、これもコンサルタントのセンスがあるため、同じ要件を伝えても同じ求人を持ってきてくれるわけではありません。
(必要に応じて、担当コンサルタントの交代を申し出てみるのも良いと思います)
可能性を広げるという意味では、1社だけでは、多少、心許ないというのが、個人的な感想です。
このような理由から、私は、2社以上のエージェントに登録することをお勧めします。
しかし、逆に多すぎるのもお勧めしません。多すぎると転職エージェントとのコミュニケーションのために、こちら側の負担が大きくなりますし、各転職エージェントが持つ求人はそれほど大きな偏りはなく、特に大手や外資系の総合系・IT系のコンサルティングファームの求人案件は、人気もあるため、各エージェントともに収集していると思います。
一度、数社登録してみて、担当コンサルタントとの相性、システムの使いやすさ、案件の豊富さなどの観点で吟味して、最終的に2社(多くても3社)をメインに絞って転職活動してみるのが良いと思います。
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