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IT分野へのコンサルティングサービスの拡大

アメリカでは、1980年以降の急激な業務のIT化により、コンサルティングファームは、IT分野に対してのコンサルティングの機会が、大きく拡大しています。

具体的は、初めに会計の分野についてIT化が起きたようです。監査法人は監査業務を行う傍ら、業務の効率化、効率化のための会計業務の業務効率化(システム化)のためのコンサルティンを監査業務とは別に引き受けます。コンサルティング業務は順調で、システム化を中心とするコンサルティング部隊を設けます。 初めにシステム化をした知見をもとに、別の会社でもその知見を活かして、システム化を効率的に行うことで、IT領域におけるコンサルティングビジネスを展開し、拡大させていきます。

アメリカの会計領域のIT化、コンサルティングビジネスのIT化を受けて、日本においても、欧米系の外資系の財務会計のコンサルティングファームが、IT領域についても、そのコンサルティング領域を広げ、システム構築までを担うことが増えてきます。

 

会計系コンサルティングファームから総合コンサルティングファームへ

初めは会計から始まった業務のIT化ですが、会計領域でのIT化が業務の効率化に有効であることが確認されると、会計の領域に限らず、人事や購買等の企業の基幹業務に広がります。

結果、会計系のコンサルティングファームは、もともと得意としていた財務戦略や業務コンサルティングからシステム構築までの上流から下流までの領域をカバーすることになります。
また、業務の範囲も、会計・人事・購買等、会社組織の全般を範囲とするような、総合系のファームとして存在感を示すことになっています。

このような経緯があり、総合系のコンサルティングファームは、その出身母体が会計領域であること、また、外資系であることが多くあります。

 

システム化による課題の発生BPRとERPの発生

この財務会計の領域から始まったシステム化の流れが、人事給与、購買在庫管理等へ拡散する過程では、各企業の部門は、夫々の業務を優先し、自部門で個々の業務や目的のために、自部門の都合でシステムを構築することが多く、結果として、同じ企業内であっても、業務間の連携が難しくなってきます。

これにより、企業内でデータの整合性が取れなくなる、経営課題の発見の遅れ、決算の長期化といったような、重大な課題が顕著になってきます。

そこで、この課題に対応するため、企業活動全体を一つのプロセスと考え、各部門の利益を優先するのではなく、全体最適の考え方で、再度業務プロセス全般を見直すという、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジュニアリング)が流行します。

このBPRを実施する際に大活躍したものが、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)やSCM(サプライチェン マネジメント)、CRM(カスタマリレーショナルマネジメント)です。

ERPは、日本では統合業務パッケージ等と呼ばれており、SAP社のECC(旧R/3)やORACLE社のE-BusinessSuite(EBS)等が有名です。

コンサルティングファームは、このBPRとERPに目をつけ、大々的に展開していくことにより、その規模を拡大することに成功します。

 

ERPの普及とコンサルティングファームの巨大化

ERPは、部門や個々の業務を優先するのではなく、会社全体で最適化するという全体最適という考えのもとに設計され、また成功している企業の事例を集めたベストプラクティスを謳っています。

BPRの流行や、また1990年代後半には2000年問題(Y2K)、ダウンサイジングによりホストからの切り替えもあり、大手企業を始め数多くの企業でシステムを導入・刷新をしています。
BPR、ERPは、全社の最適化を目的としているため、全社規模で実施することで、初めてその本領を発揮します。このため、実施するプロジェクトは、全社規模のものが多くなり、 また、基幹系システムも、既存のホストシステム等から、ERPへリプレイスするため、プロジェクト期間も長期化します。

結果として、BPRに1年、EPRの導入に月に数百人を投入して2年等の大型プロジェクトが多く発生することになります。

BPRとERPが成長の両輪となって総合系のコンサルティングファームは一気に成長します。

現在では、ERPだけでなく、様々なシステム領域に対してサービスを提供するようになります。
新卒および中途の転職者を積極的に採用し、アクセンチュアのように国内でも従業員規模が数千名、グローバルでは、30万を超える従業員を超えるような超巨大なコンサルティングファームも存在しています。

 

総合系コンサルティングファームの売り上げ

このようにコンサルティングファームが巨大化すると、その売り上げ規模も急拡大します。

コンサルティングファームのフィーは、「ランクの単価」×「人数」×「期間」で決まることが多く、前述の通り、プロジェクトの期間と人数が増えることで、売り上げを大きくすることができます。 このため、総合系ファームであっても、ITに関する売り上げの比率が高くなります。

ただ、IT系一辺倒というと、むしろ逆です。総合系コンサルティングファームでは、業務系や戦略系の仕事も積極的に行う(獲得する)ような姿勢を感じました。

これは、戦略系の仕事を受注することで、コンサルティングファームのブランドイメージを向上を期待できる面があると思います。
また、業務系のコンサルティングプロジェクトを行うことで、業務の知見を蓄積することができますし、クライアントに対しても業務を熟知していることをアピールすることができます。
これは、同じシステム導入であっても、クライアントに対して「きちんと業務を熟知している会社(ファーム)が、システム導入を行います」とアピールできます。これにより、付加価値をつけて単価交渉も有利にすることも期待することができます。

戦略系・業務系のプロジェクトがシステム導入プロジェクトにつながることが多いため※、総合系のコンサルティングファームは積極的に、時には大幅なディスカウントを行い(戦略的な価格を提示して)、プロジェクトを受注を狙う場合もあります。

※課題解決後に、新しい業務フローに沿ってシステムを構築する場合、課題を解決したコンサルティングファームで引き続きITのデリバリまで行うケースがある、また、コンペを行う場合も、内部では受注が決まっており、形だけのコンペになったり、RFPに干渉することで実質的には自ファームが受注できるように誘導するため

 

クライアント側も、システム化だけのコンペを行い、SIer等に発注するよりも、多少単価が高くなったとしても、課題を解決するまでの経緯を知っているコンサルティングファームへ、ITのデリバリを依頼したほうが、安心かつ、認識の齟齬が発生しにくいため、システム化もコンサルティングファームに発注することが多くあります。
また、既に信頼関係ができており、課題の内容、解決の方法、等の経緯を把握しているため、効率的に仕事を進めてられるメリットもあります。

このような様々な理由により、総合系のコンサルティングファームは積極的に、IT系以外の戦略や業務のプロジェクトの獲得を狙っています。

ITコンサルティングファーム

2000年以前は、BPR・ERPのコンサルティングと言えば、アクセンチュアやデロイトトーマツコンサルティング(現 アビームコンサルティング)が、多くのプロジェクトを受注していました。
これに対して、国内のSIer等も、ERP導入の流行に乗り、導入サービスに乗り出します。社内にコンサルティング部門を設立したり、既存のコンサル部門分社化させるなどして、次々とコンサルティングビジネスに乗り出しています。

また、2000年以降ではシステムを使用しない業務はないほどIT化が進んでいます。
IT化自体が課題になる場合や、また、IT化も全て自社企業で調達するような形態から、HaaS、PaaS、SaaSといったようにクラウド化が進み、またBPOのように業務自体を外部へ委託するなど、業務とシステムの構成が複雑化しています。このような流れの中で、ITを専門とするIT系のコンサルティングファームが誕生しています。

前述のSIer系のコンサルティングファームや、新興のファーム、パッケージ系等、IT系と言っても様々なコンサルティングファームがあります。

ITを専門とするといっても、あくまでシステムは、目的ではなく手段であるため、IT系コンサルティングファームであっても、業務(業界)の知見を持ったうえで、デリバリ(システム構築)を行います。
このため、システム構築よりも上流工程である、業務設計や業務改革(オペレーションの領域)も対象としています。

更に、業務設計や業務改革のオペレーションの領域にとどまらず、更に上流の工程である構想策定等のストラテジーの分野に対しても、積極的にコンサルティング領域を拡大しようとしています。

 

総合系コンサルティングファームとIT系コンサルティングファーム

このように総合系コンサルティングファームは、オペレーション領域(業務改革・業務設計)に強みを持ち、ここからシステム・システムデリバリ領域へコンサルティング領域を広げています。

これに対して、IT系のコンサルティングファームはシステム・デリバリ(システム設計・開発)に強みを持ち、ここから、売り上げの拡大や、知見の獲得のため、上流であるオペレーションの領域へ積極的に、コンサルティング領域を広げています。

ITコンサルと総合コンサルの領域

このような状況により、総合系とIT系のコンサルティングファームの垣根は急速に低くなっています。コンサルティング業界は、業界内で活発に行われており、また、経営者層も、同じく人材の流動性が高いため、場合によっては、両者の違いは無くなっているように思います。

 

組織の拡大により、転職希望者にはチャンス

組織が拡大したことにより、コンサルティングファームでは、企業が持つ様々な課題に対して、ワンストップでサービスを提供することを目指し、サービスのバラエティで他との差別化を目指すようになります。

このため、以前は敷居の高かったコンサルティングファームへの就職・転職も巨大化により採用数が増え、グッと入社の機会が増しています。

また、様々なバックグラウンドを保有する人材を採用するようになりました。コンサルティング業界の未経験者でも、あまり問題ではなく、様々な業種・業界からいろいろなキャリアもつ人材が中途採用で採用されています。

もし、コンサルティング業界に興味がある方や、自分は転職が難しいのではと思う方がいれば、積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

このように、会社が巨大化していますので、採用者数も多く、転職者にはチャンスが多いと思います。

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