転職エージェントを利用することで、転職者は多くのメリットを享受することができます。
実際、私は数回転職を行っていますが、何れの時も転職エージェントに登録して転職活動を進めています。私にとっては転職時に転職エージェントを通じて転職を行うことは当然であり、自然の事です。

また私は、コンサルティングファームのマネージャとして中途採用を含む採用活動に携わった経験があります。主に面接官として中途採用者の面接を行っていましたが、多くの方はどこかの転職エージェントを通じての応募でした。

特に、初めての転職となる方、コンサルティングファームの未経験の方は、情報が不足しがちになるため、まずは転職エージェントを登録することをお勧めします。

まず、転職エージェントに登録することから転職活動が始まるものだと個人的には思っています。
先ほど、「転職時に転職エージェントを通じて転職を行うことは当然であり、自然の事です」と書きました。私にとっては、転職エージェントを利用することがあまりに自然すぎて、具体的にどのようなメリットがあるかについては真剣に考えたことがなかったのですが、ここに書くにあたり具体的にどのようなメリットがあるのか整理してみました。
整理した結果、私がこれまでの経験の中で感じた転職エージェントは、8つあります。転職エージェントへ登録することのメリットを具体的に挙げて、それぞれ、詳細を考えていきたいと思います。

尚、転職エージェントを経由して応募することで逆に不利になるのかどうか心配する方もいらっしゃると思いますが、個人手には、全く不利になることはないと思います。その点は、「転職エージェントを経由して応募することで逆に不利になるのか」に記載していますので、併せて確認を頂けると幸いです。

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8つのメリット

私が考える転職エージェントを活用するメリットは以下の8つです。 一部は転職エージェント独自のサービスの場合もありますが、どれも転職活動を行うに当たっては大切な情報・事象です。

  • 求人の背景を確認できる(膨大な求人の中から提案してもらえる)
  • 不明点の問い合わせができる
  • 求人票の提案を受けることができる
  • 非公開案件の案内を受けることができる
  • アドバイスがもらえる(求人との適合・職務経歴書・面接)
  • 日程調整をしてもらえる(面接・内定後)
  • 不合格の場合、フィードバックがもらえる
  • 推薦状を作成してくれる

転職エージェントの8つの理由

一つ一つのメリットについて、簡単ですが、確認します。

求人の背景を確認できる

これは転職エージェントを利用する中で、最も大きなメリットだと思います。
詳細については、コンサルティングファームの求人の種類・背景を知るに記載していますので参照ください。 ここでは、概要だけ簡単に説明します。
コンサルティングファームの求人の背景には、大きく分けて2つの背景があります。求人の主体(出所)がプロジェクト場合と部門の場合です。
それぞれの求人ごとに緊急度や応募期間等の違いがあり、それに応じて転職の戦略を立てる必要があります。 個人ではこの、求人の背景をつかむことが難しいですが、転職エージェント経由では、簡単に情報を入手するのができます。

また、特にコンサルタントの未経験者の場合は、求人内容とその背景を精査して、自分の経験と照らし合わせて応募する求人を厳選する必要があると思います。このため、必ず転職エージェントに登録して、精度の高い情報を入手することが重要です。

 不明点の問い合わせができる

個人で、企業の中途採用のページは情報には限りがあります。 真剣に転職をしようと思うと、気になる点もいろいろ出てくると思います。

  • 求人の募集期間
  • その求人の採用予定者数
  • その会社の中途採用者の割合
  • 必須の経験として3つ挙げているが自分は2つと残りの1つの一部は満たしているが、可能性はあるか
  • 離職率
  • 平均の残業時間数

等々、疑問に思うことは人それぞれですし、枚挙に暇がないと思います。

個人で企業に問い合わせるのは、ハードルが高いですし、場合によっては聞きにくい事項もあると思います。
転職エージェントを介せば、転職エージェントのコンサルタントが、直接希望の企業の人事などに問い合わせてくれます。 当然匿名であるため、質問をしたことで不利になるようなことは一切ありません。 不安の種を質問して明確にすれば、安心して転職活動を行うことができますし、また、求人の内容などの情報によっては転職戦略を練り直すことで内定の確度を高め可能性もあります。

求人票の提案を受けることができる

新卒時は、それこそ数多の企業が募集をしていますが比較的自分の意思で時間を調整できることも多いため、企業の分析などにもある程度時間を確保することができます。

これに対して、転職活動の場合、通常は会社の仕事をこなしつつ、終業後や土日等の休日の時間を活用して転職の活動を行うことになります。
平日は、急な残業や業務の疲れなど、また休日も家族(恋人)サービス、家事等の事情で満足いくような時間の確保が難しいこともあると思います。 一概には言えませんが、私は、転職活動で時間がかかるのは、「転職先の候補の抽出」、「企業分析」だと思います。

職務経歴書等は一度作ってしまえば、ある程度の使いまわしはできますが、満足度の高い転職をするためには、この2つは時間を掛けて丹念に行う必要があります。
総合系のコンサルティングファーム一本に絞って転職活動を進めるのであれば、求人をカバーすることも、もしかしたら可能かもしれません。

しかしながら、中小や特化系のコンサルティングファームまでは、広げることは困難です。 中小や特化系のコンサルティングファームにも魅力的なところは数多くありますので、是非、視野を広く持って活動することをお勧めします。

また求人の種類・提案という観点では、次に説明する非公開の求人には対応できません(提案を受けなければ選択肢に入りません)。
転職先の候補の抽出については、転職エージェントの得意なところです。 例えば、会計が得意な方は、
「会計系のコンサルティングファームの案件と、規模が1000人以上、かつ年収が700万以上の事業会社の経理部門の案件」など、こちらの希望を伝えると、案件をピックアップして提案してくれます。

また、転職エージェントと面談をしていると、前述の求人の特徴(背景)と共に会社特徴等も併せて教えてくれます。 もし気になる点があれば、その場でも家に帰ってからでも大丈夫ですので、エージェントに連絡して質問すると回答をもらえます。
場合によっては、前述の通り転職エージェントから企業の人事等に問い合わせをして、回答をもらうことも可能です。
このように、タイムリーかつ並行して候補の抽出と企業分析を行うことができます。効率的に進めることができますので、時間の不足しがちな転職者にとっては、非常に有用なサービスです。

非公開案件の案内を受けることができる

これは、個人ではなかなか超えることのできない壁です。
会社は通常広く求人を募集します。会社のHP等にも載っていますし、各エージェントの求人検索のデータベース等でも公開されます。 もちろんれは広く一般に募った方が優秀な人材を確保できる可能性が高くなるからです。

ただし、これが全ての求人と言う訳ではなく、採用を考えている会社の一部は、非公開で転職エージェントに求人票を出している場合があります。
例えば、新規事業の立ち上げで同業他社に知られたくない場合は秘密裏に人材を確保したい時に非公開の求人票として転職エージェントに対して依頼が出ていたりします。

転職エージェントは、このような非公開求人を手持ちの求人者リスト(データベース)に対して直接メールをしたり、Face To Faceの面談で紹介したりします。
当然、手持ちの求人者リスト(データベース)の中には、現在、転職活動を行っていない人間も多数いるため、実際に転職活動をしている面談者に対して、積極的に紹介をすることなると思います。

非公開案件の求人は、一般に公開していないことはもちろん、転職エージェントの中にもばらつきがあります。 これは、会社が非公開の求人を行う際に、付き合いの深い転職エージェントにだけ依頼をするという事もあるため、各エージェント間でばらつきが生まれます。
このため、応募総数自体が絞られる傾向があり、内定獲得の確度が高くなるのも非公開求人の魅力です。思わぬ掘り出し物の求人に出会える可能性があります。 転職エージェントを使用するうえで、見逃すことのできないメリットです。

アドバイスがもらえる(求人との適合・職務経歴書・面接)

転職エージェントのコンサルタント(キャリアアドバイザー)は、転職を生業にしていますので、転職市場のプロです。

採用側との人事とも密に連絡をとっており「どういう人材を求めている」、「必須の要件を3つ挙げているが、最優先事項は○○」等の詳細まで抑えていることが殆どです。
自分と同じような年齢、経験の持ち主が同じ会社を希望した場合の結果を把握していることもありますし、場合によっては応募したい求人票についてのどの程度内定が出ているのか、なのどの情報も持っているかもしれません。

このため、各求人と自分の経験等を照らし合わせ、確度の高いアドバイスを受けることが期待できます。

特に書類選考については、判断材料が面接の様に不確定要素が少ないため、過去の経験則から的確なアドバイスをもらえると思います。
場合によっては、職務経歴書等の提出書類について改善点等の指摘もしてもらえることもあります。 また、最大の難関になるであろう面接についても、過去に同じ会社の面接を受けた人からのフィードバック、人事からのフィードバックも併せて、ある程のレベルですが、面接で聞かれることも教えてくれます。

ただし、これは面接管はその回によって異なることが多いため、確度については書類選考程の場合と異なります(低いです)。
面接についての情報・アドバイスは過信せずに、同じ質問がきたら幸運程度に考え、自分でも想定問答を考えるなどして、しっかりとした準備が肝心だと思います。
それでも、傾向が分かるだけで心の持ちようがかなり楽になりますし、準備もできる場合もあります。

また、転職エージェントやタイミング次第なのかもしれませんが、模擬面接等をしてくれるところもあります。
面接は模擬面接を受けて、その場でフィードバックを受けるで各段に受け答えが上達します。
恥ずかしいこともありますが、機会があれば是非とも挑戦してみてください。

少し 横道にそれますが、コンサルタントもプレゼンの前には、何度も何度もリハーサルをします。 もちろん時間を計測して本番さながらで行いますし、聞く側にパートナー(役員)を呼ぶなどして、わざとプレゼンターがプレッシャーのかかる場面を作りリハーサルをたりもします。想定問答集ももちろん作成します。
プレゼンに慣れているコンサルタントでもここまで準備しているのですから、普段採用面接をしない(当たり前ですが)人は、入念な準備をすべきです。
しかも、人生の大きな岐路となる転職ですので、模擬面接等の利用できるサービスは、遠慮せずにできるだけ利用して、しっかりとした準備で面接に臨むようにしましょう。

また、模擬面接ではありませんが、転職フェアでいろいろなブースに顔を出して、人事担当者と会話することも良いと思います。 いろいろな人と会話することで、様々な角度・切り口からの質問に対応する訓練になりますし、慣れることで会話をするときの頭の回転が上がります。詳細は、「転職フェアを攻略する」を参照ください。

日程調整をしてもらえる(面接・内定後)

転職先の選択肢を最大限に確保するため転職活動は、複数の会社を並行して進めることが多いと思います。
社会人として働きながら転職活動をしていると、面接の時間は、必然的に夕方や夜間に面接となることが多くなります。

実際に私が中途採用の面接官をしていた時も、昼からの面接は皆無でした。大体が19時、遅いと20時等から採用の面接を開始していました。
このため、活動を並行して進めるといっても、受けることのできる面接は1日1回が普通だと思います。 加えて自身の残業などもあるため、毎日受けることも難しくなります。

また、面接を行うコンサルティングファーム側も、専門の面接官を準備しているわけではなく現場のマネージャ等が行うため、「夕方以降であれば、いつでも大丈夫」というような状況は考えにくくなります。 従って例え1社であっても面接の日程調整に、手間がかかる場合があり、日程調整に気を使うことがあります。

しかも、これが応募を並行していて日程調整が同時に複数社であれば、日程調整はかなり煩雑な作業になります。 また、並行して調整をしていると、候補の時間がバッティングしてしまうことが往々にしてあります。

再調整のメールの文面を考えるのも、憂鬱ですし、精神上も良くありません。 ただでさえ面接対策の企業分析などに時間を集中して使いたい時期にもかかわらず、日程調整に時間をとられて面接を失敗してしまっては、まさしく本末転倒です。

新卒の就活時は、時間的な制約が比較的緩いため調整が容易ですが、新卒の感覚で考えると中途採用の面接の調整の候補の少なさ、制約の多さで苦労すると思います。

この点、転職エージェントを介することで、自分の受けたい会社、調整可能な時間を連絡するだけで、日程調整が進みますし、ダブルブッキングの再調整も角が立ちません。精神的にも健全でいることができます。  

また、幸運にも内定が出た際も、転職エージェントのメリットがあります。
例えば、第2希望のコンサルティングファームから内定がでているが、第1希望のコンサルティングファームの結果がまだでていない、しかし、第2希望の回答期限が迫っている…往々にしてこんな場面が発生してしまいます。
交渉が苦手な人は、内定を諦めて第1希望にかけるか、逆に第1希望を辞退してしまうかもしれません。
その点、転職エージェントのコンサルタントは、踏んでいる場数が違います。また、各ファームの採用事情も詳しいため、期限の交渉などもしてくれます。第1希望に対しても催促してくれます。 日程調整は、転職希望者が思っている以上に負担が高い部分ですが、この部分を転職エージェントにアウトソースできるのは、時間が限られている転職者にとってはとても助かります。
また、面接時間の再調整や、内定後の調整など、転職者本人が直接行うとカドが立つようなことも、転職エージェントを介して行うことで、スムーズかつスマートにこなすことができます。 交渉などが苦手で、ストレスを感じる人にとっては、特にこの点は見逃すことのできないメリットです。

不合格の場合、フィードバックがもらえる

不幸にも、書類選考や面接でNGとなってしまった場合、個人で応募していれば、「今回は残念でした、是非またの機会に」などの形式的なメール等が届いて終わりだと思います。
これでは、この不合格を次に活かすことができません。 書類のどこに問題があったのか?、面接ではどこがダメだったのか? 自分では、「あの場面かな?」などと思うことはあっても、それが正解とは限りません。

これに対して、転職エージェントから申し込みを行い残念ながら不合格となった場合は、通常きっちりとしたフィードバックが受け取れます。 不合格であっても、次回に活かすことができます
もし、フィードバックない場合は、必ずこちらから、転職エージェントに確認するようにしましょう。

私も、コンサルティングファームで面接官を担当していた時には、転職エージェント向けに、フィードバック用のシートを作成していました。募集で求めていた要件のうち、何が不足していたのか、論理的な思考等コンサルタントの資質について面接でどのように評価したなどです。

フィードバックがあるのとないのでは、成長の度合いが大きく異なります。 世の中には数多くのコンサルティングファームがありますが、総合系等の大手のコンサルティングファームの数は限られています。

弾の無駄打ちは極力控えなければなりません。 次回も同じ失敗をしないためにも、必ずフィードバックを受けて、次の応募・面接に活かすようにしましょう。

推薦状、紹介状を作成してくれる

転職エージェント固有のサービスかもしれませんが、私が面接官をしているとき転職エージェントから推薦状や紹介状がついているケースがありました。
転職エージェントからの推薦状ですので、多少下駄をはかされていることもありますが、それでも、面接前に応募者の情報を入手できるため、私は、推薦状・紹介状にもしっかりと目を通してから面接に臨むようにしていました。

具体的には、「比較的おとなしい印象を受けるかもしれませんが、芯がしており大切な場面ではしっかりと主張できる性格です(もう少し格好が良い文言ですが)」このような紹介文もあったりします。
私としては、事前に人物像があると面接のイメージもしやすく助かった記憶があります。 推薦状や紹介状で面接の評価が変わることはないと思いますが、事前に人物像をイメージできていれば、スムーズに面接を始めることができます

面接の出だしで躓いてしまうと、議論を深める(質問で深堀する)までに時間がかかってしまい、結果として表面だけの内容の薄い面接になってしまう恐れがあります(これは面接官の責任に帰する部分も大きいですが)。
薄い面接ではアピールが不足しがちになり、結果として不合格になってします可能性が高くなると思います。
そういった意味では、推薦状や紹介状というのは、見えない部分で多少なりとも面接の役に立っていたのだと思います。

複数の転職エージェントから選ぼう

転職開始にあたって、まず転職エージェントを登録してほしいです。 そして、本格的に開始する時には、2社以上(できれば3社以上)に登録して、自分に合った転職エージェントを探すことをお勧めします。 私自身も複数に登録して、自分に合ったエージェントを探しました。 複数登録するメリットは 、以下が挙げられます。

  • 担当のキャリアアドバイザーとの相性(求人提案も含む)
  • 転職エージェントによって、強い業界、強い会社がある
  • 転職エージェント独自の非公開求人がある

同時期に登録して、転職エージェントの面談をいれると、転職エージェントの求人の持ち球や担当のキャリアアドバイザーの提案の傾向等が比較出来て良いと思います。
また、希望の業界や、会社やコンサルティングファームがある場合は、直接、強みがあるか、実績がどの程度あるかを、キャリアアドバイザーに面談で直接確認すると良いと思います。
尚、転職エージェントのサービスはそれほど大きな違いはないと思います。 複数社に登録した後、実際にキャリアアドバイザーと面談をして、自分に合った転職エージェントを1社または2社に絞り、転職活動を本格的に行うのが良いと思います。

あまり、数多くの転職エージェントを利用して転職活動をすると、日程調整のメリットの恩恵をうけにくくなったりしますので、注意が必要です。

お勧めの転職エージェント | 未経験者でも総合系・IT系コンサルティングファームへ転職 コンサルティングファームへ転職を目指す方、または転職先の候補の1つとしてコンサルティングファームを検討されている方は、転職エージェントに登録して転職活動を進めることをお勧めします。 …  

 

 最後に

長くなってしましましたが、以上が私なりに考えた転職エージェントに登録するメリットです。

特に、コンサルティングファームへの応募を鑑みると、求人の背景を確認できる、というのは大きいです。 私がコンサルティングファームで面接官をしていた時は、出戻りなどの特殊な例を除いて、ほぼ全員が転職エージェント経由の応募でした。

もしも、転職エージェントを使用しないで自分だけで転職活動を進めるという事は、これらのメリットを受けていないという事になります。 応募する前からライバルに差をつけられてしまっている状態です。

これでは、内定を獲得できる実力・経験があっても内定が遠ざかってしまいます。 そうならないためにも、転職エージェントを最大限に活用して、是非とも目的のコンサルティングファームから内定を獲得してください。

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